2019/08/07

レビュー:Wonder



Wonder
著:R.J.Palacio
読みやすさ:★★★★☆
お気に入り度:★★★★★


映画にもなった話題の本ですので、もはや紹介の必要もないんじゃないかというくらい有名なWonder。

とはいえ一応簡単に紹介いたしますと、先天性の疾患のため顔に障害を持つAuggie(August)が初めて学校に通うことになり、1年間の生活を通しての成長が描かれるというストーリーです。

まぁ、こういうとなんですが、割とベタな感動のストーリーではあるのですが、主人公だけでなくいろいろな登場人物の視点を切り替えながら語られるため、1つの出来事のいろいろな側面が描かれ、深みが出ています。
なので、それぞれのキャラが単にいいやつ・悪い奴というわけでもなく、なるほどこういう裏があったのね、みたいな気づきは面白いです。

英語自体も全体的に読みやすいかなと思いますし、読んで損はないかな。

Lexileレベルでは高めの790となっています。もう少し読みやすいんじゃないかと個人的には思いますけど。
そんなわけで、個人的なYLは5としておきます。

■■=====ちょいネタバレ含む、スターウォーズネタの話
主人公のAuggieはスターウォーズがすごく好きという設定なので、説明なくスターウォーズ用語が使われます。
まぁ、アメリカだとスターウォーズはもはや誰でも知っている前提知識なのかな。

僕もスターウォーズは好きなのですが、もしかしたらあまり詳しくない方はわかりづらいところがあるのではないかと思い、趣味も兼ねて書いてみます。

●パダワン
スターウォーズ世界では、ルークやアナキンなどジェダイという特殊な能力を持った人たちが活躍しますが、その見習のことをパダワンと言います。
パダワンは髪の毛の一部を房にして伸ばすことになっていて、晴れて一人前のジェダイナイトになれたときにこれを切ります。
Auggieもパダワンのように髪の毛を伸ばしていたのですが、これを切るというのは彼にとって大きな意味を持つことだとわかります。

●ボバ・フェット
スターウォーズに登場する賞金稼ぎで、緑色っぽい前進鎧を着ています。
ヘルメットもかぶっているので顔は見えません。
なので顔を隠せるコスチュームとして、Auggieはこれをハロウィーンに選んだのですね。

ボバ・フェットの出自はちょっと複雑で、一応父親はジャンゴ・フェットといいますが、実はボバはジャンゴのクローンという設定です。
ジャンゴは優秀な賞金稼ぎだったため、スターウォーズ世界でクローンの兵士軍団を作るときに自分の遺伝子を提供したのですね。
その報酬の一つとして、100%のクローンであるボバをもらったということになっています。

そのため、ボバとジャンゴはほとんど同じ色違いのような鎧を着ています。

●モン・モスマ
モン・モスマは反乱軍の指導者ですが、映画にはあまり出てきません。
ただ、すごい変な髪形なんですよね。

●ダース・シディアス
いわゆる悪の皇帝。
ダース・シディアスはシスの暗黒卿というジェダイの宿敵となる存在です。
エピソード3の戦いのとき、シディアスは自分の放った電撃を跳ね返されて、顔が焼けただれてしまいます。
これがAuggieにたいするからかいになっているというわけですね。

●Loboto
エピソード5で出てくるキャラで、耳に機械がついています。
このキャラ、映画の中では名前はでてこないんじゃないかな?
かなりマニアックです。

Auggieは、補聴器がLobotoっぽいから嫌だといっていますが、同じくスターウォーズ好きな医者は「ジャージャーじゃないんだからいいだろ」と慰めています。
ジャージャーというのは、ジャージャー・ビンクスというキャラ。
これはエピソード1~3でかなりたくさん登場するのですが、なぜかスターウォーズファンの中ではめちゃくちゃ評判が悪いんですね。

それが裏にあるうえでの、「(不人気な)ジャージャーじゃないんだから、ロボトならいいじゃないか」という意味ですね。

●皇帝のガード
ダース・シディアス(皇帝)は、まぁ当然偉い人なので、特別な親衛隊が周りにつきます。
ロイヤルガードという赤い兵隊なのですが、Auggieは、自分の周りを守るように取り囲む友達を見て、自分が皇帝になったみたいだと思ったっぽいですね。

●表彰式
エピソード4の最後は、主人公のルークたちがデススターを破壊したことに対して表彰されるシーンになっています。
Auggieが思いつく表彰式と言えばこれだったのでしょうね。
この時の音楽が頭のなかでなり続けたというのも、ニヤリとさせる表現です。